ある山の ふもとに、
ある山の ふもとに、
ぶんぶくおしょうが まもる ふるい おてらが ありました。
おてらには、一ぴきの たぬきが あそびにきます。
よし よし・・・・ いい子だなぁ・・・・
おしょうさんは、いつも たぬきに えさを あげて
とても かわいがって いました。
しかし、どこへ いって しまったのか、
いつのまにか、たぬきは、 あそびに こなく なりました。
うぅ・・・ さみしいのぉ・・・・
だいじょうぶ。 きっと また やって きますよ!
おしょうさんを こぞうさんたちが はげまします。
そうかい? うん・・・ そう しんじるかのう・・・
それから しばらく たった ある日・・・・・・。
おしょうさんは、 町へ でかける ことに なりました。
ようじを すませた おしょうさんが、 どうぐやに たちよって みると、
そこには、みごとな ちゃがまが おいて ありました。
これは、よい ものじゃなぁ・・・・
おしょうさんが ちゃがまを 手に とると・・・・・
かって ください・・・ ぼくを かって ください・・・
ん? いまの こえは どこから きこえたんじゃ?
ふしぎに おもい ながらも、 おしょうさんは、ちゃがまを かう ことに しました。
これは、いいものを 手に いれた!
おしょうさんは うきうきと おてらに もどりました。
おしょうさんが すてきな ちゃがまを かって きたんだ!
へえ〜 見て みたいなぁ・・・・。
ちゃがまが 気に なる こぞうさんたちは、
おしょうさんの へやを ちらっと のぞき こみました。
おしょうさんは、ちゃがまを まえにして こっくり こっくり いねむりして います。
あれか、うわさの ちゃがま・・・・・
なんと! ちゃがまが うごいて いるでは ありませんか!
こぞうさんは、見まちがいかと 目を ごしごし こすり ました。
すると・・・・・
ちゃがまから しっぽが でて てきたのです。
おっ・・・ おばけぇ〜っ!!
ん?
その こえに びっくりし、 おしょうさんが 目を さまします。
なんじゃ・・・おまえたち、 おおごえで?!
ちゃ・・・ ちゃがまから しっぽが!!
なに? なんじゃ・・・・、どこも おかしく ないぞ?!
見ると、ちゃがまは、 もとどうりに なって います。
しゅぎょうが たらんから かんちがい するんじゃ!
おこられた こぞうさんたちは、 しゅ〜〜んと かたを おとしました。
まったく・・・ すっかり 目が さめて しまったのう・・・
さて さて・・・、 おちゃでも のむか・・・・・。
ゆを わかそうと ちゃがまを ひばちの 上に のせると・・・
あち・・・・あちっ、あちちち〜〜っ!
はぁ?! これはっ?!
ちゃがまが ひばちの上で とびあがりました。
にょき にょきっと、あたまが はえ、
ぶるぶるっと しっぽが とびだし、
にゅにゅっと 足が つきだします。
ちゃ・・・ちゃがまの おばけ〜〜〜っ!
そこに こぞうさんが かけつけました。
おしょうさん! どう ましたかっ?
おしょうさんが、ちゃがまを 見ると、 ただの ちゃがまに もどって いました。
い・・・いや・・・ 見まちがえた だけ かも しれん。
でも・・・きみわるいのう・・・。
おしょうさんが くびを ひねって いると
ふるどうぐやさんの こえが ひびいて きました。
え〜〜〜、ふるどうぐやでござい〜〜っ!
う〜〜む、 これを もって いって もらおうかのう・・・・
おしょうさんは、ちゃがまを てばなして しまいました。
こんなに すばらしい ちゃがまが 手に はいるとは!
ふるどうぐやさんは、 ホクホクと いえに かえりました。
あまり すばらしい ちゃがまなので、
ふるどうぐやさんは、てばなすのが おしくなって きました。
そして・・・・
まずしいくらしだが・・・・ これくらい ぜいたくは、いいだろう。
と うりものには せず、 たいせつに する ことに しました。
よるに なり ふるどうぐやさんが とこに つくと・・・・・。
ふるどうぐやさん・・・ おきて ください・・・
だれだ? こんな よなかに・・・・
たぬきの あたまと しっぽを つけた ちゃがまが はなしかけて きたのです。
こわがらないでください!
ぼくは 山の ふもとに すんで いた たぬきです。
えっ? た・・・たぬき?
はい。ぼくは、おしょうさんに かわいがられて いました。
いつも えさを もらって ばかりで もうしわけ なくて・・・
なにか おかえしが したいと 町に でたのですが・・・・
その とちゅうで わるい にんげんに つかまり そうに なり、
あわてて ちゃがまに へんしんしたのです。
でも、ちゃがまに なった まま にんげんに つかまって、
どうぐやにうられて しまったのです。
そこを おしょうさんに かって もらったの ですが・・・・・。
ちゃがまの すがたでは、 水しか もらえなくて・・・
おねがいです! ぼくを ここに おいて ください!
もう おなかが ペコペコなんです・・・・。
そうか・・・おいて やるのは、いいが、 しかし、うちは、まずしくてなぁ。
えさを あげられるかどうか・・・・。
それなら、おまかせください!
ちゃがま たぬきは、『ポン!』と おなかを たたきました。
ぼくが、きょくげいを やりますよ。
ゆかいな ちゃがまの たのしい きょくげい! ぽん ぽこ ぽん! ぽん ぽこ ぽん!
おお! それは、いいな!
あさに なると、ふるどうぐやさんと ちゃがま たぬきは、
きょうりょくして みせの まえに ぶたいを つくりました。
さぁ 右や 左の おきゃくさま!
よにも めずらしい『ぶんぶくちゃがま』の きょくげいだよ!
ふるどうぐやさんが よびこみを すると 人が たくさん あつまって きました。
ぶたいの上で ちゃがま たぬきが つなわたりを して みせました。
うわさが うわさを よんで ぶたいは れんじつ おおにぎわい!
ふるどうぐやさんと ちゃがま たぬきは、 あっと いう まに お金もちに なりました。
ちゃがまよ おまえの おかげだよ。
この お金は、たぬきに もどって すきに つかうと いいよ
すると ちゃがま たぬきは、 こまりがおで こう いいました。
それが、ずっと ちゃがまで いたから、 たぬきに もどれなく なっちゃったんですぅ。
えっ? それは、たいへんだ!!
ふるどうぐやさんは、「う〜〜ん」と かんがえ こみました。
そして、ある アイデアが ひらめいたのです。
ふるどうぐやさんは、おしょうさんの もとへ、 ちゃがま たぬきを つれて いきました。
そして、いままでの ことを はなしました。
な、なんと! ちゃがまが あの たぬき だった とは!
ふるどうぐやさんは、 おかねを さしだしました。
どうぞ、ちゃがまを おてらに おいて あげて ください。
このお金で えさの かわりに おそなえものを して あげて ください。
もちろんじゃ!
おまえが、 あの たぬき じゃった とは なぁ・・・。
気づいて やれなくて ほんとうに ごめんよ・・・。
お、おしょうさん!!
おしょうさんは、ちゃがま たぬきを やさしく だきしめました。
ちゃがま たぬきは、とこのまに かざられ、 毎日、おそなえものを してもらい、
ずっと たいせつに されたと いう ことです。
ある山の ふもとに、
ふもと
山
ぶんぶくおしょうが まもる ふるい おてらが ありました。
おてらには、一ぴきの たぬきが あそびにきます。
あそぶ
一
たぬき
よし よし・・・・ いい子だなぁ・・・・
おしょうさんは、いつも たぬきに えさを あげて
あげる
いつも
しょう
たぬき
とても かわいがって いました。
かわいがる
とても
しかし、どこへ いって しまったのか、
しまう
しかし
いつのまにか、たぬきは、 あそびに こなく なりました。
うぅ・・・ さみしいのぉ・・・・
さみしい
だいじょうぶ。 きっと また やって きますよ!
おしょうさんを こぞうさんたちが はげまします。
そうかい? うん・・・ そう しんじるかのう・・・
それから しばらく たった ある日・・・・・・。
しばらく
日
たった
それから
おしょうさんは、 町へ でかける ことに なりました。
ようじを すませた おしょうさんが、 どうぐやに たちよって みると、
そこには、みごとな ちゃがまが おいて ありました。
これは、よい ものじゃなぁ・・・・
おしょうさんが ちゃがまを 手に とると・・・・・
かって ください・・・ ぼくを かって ください・・・
ん? いまの こえは どこから きこえたんじゃ?
ふしぎに おもい ながらも、 おしょうさんは、ちゃがまを かう ことに しました。
これは、いいものを 手に いれた!
いれる
手
おしょうさんは うきうきと おてらに もどりました。
おしょうさんが すてきな ちゃがまを かって きたんだ!
へえ〜 見て みたいなぁ・・・・。
見る
みたい
ちゃがまが 気に なる こぞうさんたちは、
気
こぞう
おしょうさんの へやを ちらっと のぞき こみました。
おしょうさんは、ちゃがまを まえにして こっくり こっくり いねむりして います。
あれか、うわさの ちゃがま・・・・・
うわさ
なんと! ちゃがまが うごいて いるでは ありませんか!
こぞうさんは、見まちがいかと 目を ごしごし こすり ました。
すると・・・・・
すると
ちゃがまから しっぽが でて てきたのです。
しっぽ
おっ・・・ おばけぇ〜っ!!
おばけ
ん?
その こえに びっくりし、 おしょうさんが 目を さまします。
なんじゃ・・・おまえたち、 おおごえで?!
ちゃ・・・ ちゃがまから しっぽが!!
しっぽ
なに? なんじゃ・・・・、どこも おかしく ないぞ?!
見ると、ちゃがまは、 もとどうりに なって います。
しゅぎょうが たらんから かんちがい するんじゃ!
おこられた こぞうさんたちは、 しゅ〜〜んと かたを おとしました。
まったく・・・ すっかり 目が さめて しまったのう・・・
さて さて・・・、 おちゃでも のむか・・・・・。
ゆを わかそうと ちゃがまを ひばちの 上に のせると・・・
あち・・・・あちっ、あちちち〜〜っ!
はぁ?! これはっ?!
ちゃがまが ひばちの上で とびあがりました。
にょき にょきっと、あたまが はえ、
はえる
ぶるぶるっと しっぽが とびだし、
とびだす
しっぽ
ぶるぶる
にゅにゅっと 足が つきだします。
足
つきだす
ちゃ・・・ちゃがまの おばけ〜〜〜っ!
おばけ
そこに こぞうさんが かけつけました。
かけつける
こぞう
おしょうさん! どう ましたかっ?
しょう
おしょうさんが、ちゃがまを 見ると、 ただの ちゃがまに もどって いました。
い・・・いや・・・ 見まちがえた だけ かも しれん。
でも・・・きみわるいのう・・・。
きみわるい
おしょうさんが くびを ひねって いると
しょう
ひねる
ふるどうぐやさんの こえが ひびいて きました。
こえる
ひびく
え〜〜〜、ふるどうぐやでござい〜〜っ!
う〜〜む、 これを もって いって もらおうかのう・・・・
おしょうさんは、ちゃがまを てばなして しまいました。
こんなに すばらしい ちゃがまが 手に はいるとは!
ふるどうぐやさんは、 ホクホクと いえに かえりました。
あまり すばらしい ちゃがまなので、
すばらしい
あまり
ふるどうぐやさんは、てばなすのが おしくなって きました。
そして・・・・
そして
まずしいくらしだが・・・・ これくらい ぜいたくは、いいだろう。
と うりものには せず、 たいせつに する ことに しました。
よるに なり ふるどうぐやさんが とこに つくと・・・・・。
ふるどうぐやさん・・・ おきて ください・・・
くださる
おきる
だれだ? こんな よなかに・・・・
こんな
たぬきの あたまと しっぽを つけた ちゃがまが はなしかけて きたのです。
こわがらないでください!
くださる
こわがる
ぼくは 山の ふもとに すんで いた たぬきです。
えっ? た・・・たぬき?
たぬき
はい。ぼくは、おしょうさんに かわいがられて いました。
いつも えさを もらって ばかりで もうしわけ なくて・・・
なにか おかえしが したいと 町に でたのですが・・・・
その とちゅうで わるい にんげんに つかまり そうに なり、
あわてて ちゃがまに へんしんしたのです。
あわてる
へんしん
でも、ちゃがまに なった まま にんげんに つかまって、
どうぐやにうられて しまったのです。
しまう
そこを おしょうさんに かって もらったの ですが・・・・・。
ちゃがまの すがたでは、 水しか もらえなくて・・・
おねがいです! ぼくを ここに おいて ください!
もう おなかが ペコペコなんです・・・・。
おなか
ペコペコ
そうか・・・おいて やるのは、いいが、 しかし、うちは、まずしくてなぁ。
えさを あげられるかどうか・・・・。
あげる
られる
それなら、おまかせください!
くださる
まかせる
それなら
ちゃがま たぬきは、『ポン!』と おなかを たたきました。
ぼくが、きょくげいを やりますよ。
きょく
ゆかいな ちゃがまの たのしい きょくげい! ぽん ぽこ ぽん! ぽん ぽこ ぽん!
おお! それは、いいな!
あさに なると、ふるどうぐやさんと ちゃがま たぬきは、
きょうりょくして みせの まえに ぶたいを つくりました。
さぁ 右や 左の おきゃくさま!
きゃく
左
右
よにも めずらしい『ぶんぶくちゃがま』の きょくげいだよ!
ふるどうぐやさんが よびこみを すると 人が たくさん あつまって きました。
ぶたいの上で ちゃがま たぬきが つなわたりを して みせました。
うわさが うわさを よんで ぶたいは れんじつ おおにぎわい!
ふるどうぐやさんと ちゃがま たぬきは、 あっと いう まに お金もちに なりました。
ちゃがまよ おまえの おかげだよ。
おかげ
おまえ
この お金は、たぬきに もどって すきに つかうと いいよ
すると ちゃがま たぬきは、 こまりがおで こう いいました。
それが、ずっと ちゃがまで いたから、 たぬきに もどれなく なっちゃったんですぅ。
えっ? それは、たいへんだ!!
たいへん
ふるどうぐやさんは、「う〜〜ん」と かんがえ こみました。
そして、ある アイデアが ひらめいたのです。
そして
アイデア
ひらめく
ふるどうぐやさんは、おしょうさんの もとへ、 ちゃがま たぬきを つれて いきました。
そして、いままでの ことを はなしました。
はなす
そして
な、なんと! ちゃがまが あの たぬき だった とは!
ふるどうぐやさんは、 おかねを さしだしました。
どうぞ、ちゃがまを おてらに おいて あげて ください。
このお金で えさの かわりに おそなえものを して あげて ください。
もちろんじゃ!
もちろん
おまえが、 あの たぬき じゃった とは なぁ・・・。
気づいて やれなくて ほんとうに ごめんよ・・・。
お、おしょうさん!!
しょう
おしょうさんは、ちゃがま たぬきを やさしく だきしめました。
ちゃがま たぬきは、とこのまに かざられ、 毎日、おそなえものを してもらい、
ずっと たいせつに されたと いう ことです。
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