国内最大とも
言われながら
実物が
残っていない
謎の隕
石(いんせき)、「
八王子隕
石」が
現在の
東京・
八王子市に
落下して
200年がたつのを
機に、
国立科学博物館などの
研究者たちが
実態の
解明に
挑んでいて、
黒っぽく
磁石にくっつくような
石が
自宅にないかなど
一般からの
情報提供を
呼びかけています。
国立科学博物館や
国立極地研究所などによりますと、
八王子隕
石は
江戸時代後期の
1817年12月に、
現在の
東京・
八王子市とその
周辺の
日野市、
多摩市などに
落下した隕
石で、
雷のような
ごう音とともに
空からいくつもの
石が
落ちてきたという
記録が
当時の
日記や
随筆などに
数多く
残されています。
隕石は上空で爆発しバラバラに飛び散ったと見られ、このうち八王子市中心部にある寺、金剛院の脇の畑に落ちたとされるかけらは全長およそ90センチ、重さおよそ60キロあったという記録が残されています。
日本に落下した最大の隕石は、これまでのところ1850年に今の岩手県陸前高田市に落ちた全長およそ50センチの気仙隕石で、八王子隕石はこれを上回り国内最大とも言われますが実物は残されていません。
研究者によりますと、隕石を拾ったときには役所に届け出るよう申しつけられていたということで、幕府が調べたあと火山の噴火だと結論づけられ、その後、行方がわからなくなったということです。
60年以上前に京都府の旧家で、八王子隕石について書かれた紙とともに0.1グラムほどの石が見つかり、去年最新の技術で分析されましたが、宇宙空間から来た隕石だと確認されたものの、八王子隕石とは特定できませんでした。
国立科学博物館や国立極地研究所は、八王子隕石が落下してからことしで200年がたつのを機に、実態の解明に挑みたいとし、「民家などに、黒っぽく、磁石にくっつくような石が残されていれば情報を寄せてもらいたい」と呼びかけています。
日本に落下した隕石は50個
日本に落下した隕石はこれまで50個が確認されています。
主な隕石は東京・上野の国立科学博物館に展示されていますが、最も大きいものは1850年に今の岩手県陸前高田市に落ちた気仙隕石で、全長がおよそ50センチあります。
また最も重いものは1885年に大津市で見つかった田上隕石で、ほとんどが鉄やニッケルでできていておよそ174キロあります。