27日、
栃木県那須町のスキー
場付近で、
登山の
講習中の
高校生と教員48人が
雪崩に
巻き込まれ、
生徒ら
8人が
死亡した
事故で、
雪崩が
起きた
際、
現場から
直接警察などに
通報できず、
教員がふもとの
旅館に
降りてきて
通報していたことが
警察への
取材でわかりました。
警察は、
通信機器などの
装備の
状況について
調べています。
27日、
午前8時半ごろ、
栃木県那須町にある
スキー場の
付近で、
登山の
講習を
受けていた
県内の
7つの高校の
山岳部の
生徒や
教員合わせて
48人が
雪崩に
巻き込まれ、
県立大田原高校の
生徒と
教員の
合わせて
8人が
死亡し、
生徒ら
40人がけがをしました。
この事故で、警察に通報があったのは午前9時半ごろで、雪崩が起きた現場から直接警察や消防に通報できず、教員1人がふもとの旅館まで歩いて降りてきて通報していたことが警察への取材でわかりました。
雪崩の発生から通報までは1時間ほどがたっていました。
県や救助隊の関係者によりますと、ふもとの旅館は今回の講習会の本部になっていて、雪崩が起きたとき、教員1人が待機していたということです。
また、講習が行われていた現場とこの旅館との間では、無線や携帯電話で連絡を取る態勢になっていましたが、雪崩が起きた時は現地からの通信手段が使えなかったと見られるということです。警察は、通信機器などの装備の状況について詳しく調べています。
現場で花を手向ける人
雪崩が起きた現場近くにある栃木県那須町のスキー場では、29日も花を手向ける人の姿が見られました。
2年前にスキー場の近くに引っ越してきたという30代の男性は、スキー場に続く階段に積もった雪の上に花束を置いて静かに手を合わせていました。
男性は「お悔やみの気持ちで手を合わせましたが、言葉にならないです。自然が好きでここに引っ越してきましたが、まさかこのような事故が起きるとは思ってもいませんでした」と話していました。
関係省庁「再発防止を徹底」
事故を受けて、関係省庁の担当者を集めた対策会議が29日開かれ、「なだれ注意報」が発表されるなど、雪崩の危険性がある場合には迅速に注意喚起を行うなど、再発防止策を徹底することを確認しました。
会議には、内閣府や文部科学省、気象庁など、関係する20の省庁の担当者が出席し、松本防災担当大臣が「雪崩による痛ましい災害が発生した。再発防止を徹底するため、自治体とも連携しながら政府一体となって防災体制の強化に努めたい」と述べ、関係省庁に対応の強化を指示しました。
会議では、▽地形の特徴や積雪の状況など雪崩の危険性のある場所がないか重点的に点検することや、▽「なだれ注意報」が発表されるなど、雪崩が発生するおそれがある場合には、住民や関係機関に伝達し迅速に注意を呼びかけることなどを求める通知を各都道府県に29日付けで出したことが報告され、再発防止策を徹底することを確認しました。