JLPT N1 – Reading Exercise 70

#297

情報化社会となると、すべての仕事が机の上でできるようになって、3K(キツイ・キタナイ・キケン)の仕事がなくなるような幻想がふりまかれていますが、それは間違いです。確かに、毎日会社や学校に行かなくても仕事や学習ができる部分はあるでしょう。しかし、パソコンを作る人、それを運ぶ人、運ぶ道路(トラック)や鉄道(貨車)を作り整備する人、その資材を作る人、その原料を掘り出す人…と、パソコンーつをとっても多数の入々の労働の結晶なのです・その労働自身は・決してなくなることはありません。私たちの生活の中で必要とする、食べ物も住宅も着物も電気も、あらゆるものに労働が必要なのも確かです。情報革命は、通信の手段の革命であって、生活や労働を変える革命ではないことを、しっかりと押さえておく必要があると思います。

(池内了『科学の考え方・学び方』岩波書店による)

幻想がふりまかれている:夢のような非現実的な話が広まっている

Try It Out!
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筆者は「情報化社会」をどのような社会と考えているか。
1. 情報革命と同時に生活や労働が大きく変わる社会
2. 通信手段は便利でも多くの人の労働が必要な社会
3. 仕事や学習のために会社や学校が必要でなくなる社会
4. 通信手段が発達し、危険で汚い仕事がなくなった社会