JLPT N1 – Reading Exercise 74

#301

我々は裸の眼でものを見ているように思っているが、実際そうではない。我々は、常識という色眼鏡でものを見ている。そして、常識を作ったのは、過去の偉大な人間であり、その偉大な人間はある学問や芸術を創り出し、そして、新しく世界を見る眼を我々に教えた。その眼が歴史的に我々に伝承され、我々はその眼でもって、ものを見、しかも裸の眼でものを見ていると思っている。しかし、一つの眼である限り、それは世界を歪んで見ているのである。その眼からはどうしても見えない何かがあるのである。

(梅原猛『饗宴―梅原猛随想と対話』による)

Try It Out!
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この文章で筆者が述べていることは何か。
1. 我々は裸の眼でものを見ている限り、世界のすべてを見ることはできない。
2. 我々は過去の偉大な人間と同じ見方で世界を見ていると思い込んでいる。
3. 我々は常識に縛られているために、見えるものが限られている。
4. 我々は常識という色眼鏡を外して裸の眼で世界を見るべきだ。