JLPT N1 – Reading Exercise 93

#320

私は自分が考えているということを自覚しているので、人というのはみんなこのように考えているものなのだと、つい思ってしまいがちである。私が考えているように、すべての人も考えているものなのだと。

しかし、どうやら、そうではない。どころか、考えている人など滅多にいない。年齢と経験を重ねるほどに、この事実をいたく思い知るのである。私にとって当たり前すぎることが、他の人にとっていかに当たり前のことでなかったか。

(池田晶子「わが闘争」「本の旅人』2002年1月号角川書店による)

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1
この事実 とは、どのような意味か。
1. 自分が考えているのと同じように、他の人も考えている。
2. 自分は考えていると思っていたが、実は考えていなかった。
3. 自分は考えているが、他の人は自分のようには考えていない。
4. 自分と年齢や経験が異なる人は、自分と同じようには考えていない。