むかし、むかし、どこの おてらにも
むかし、むかし、どこの おてらにも
おぼうさんに なるための しゅぎょうをする 男の子がおりました。
きょうとの あんこくじにも、 一休さんという 小僧さんがおりました。
一休さんは、五才・・・・。
このてらに きたばかりです。
ところで 一休さんは、 ちょっと かわっていました。
なんじゃぁ?!
これ、一休!
ほとけさまに しりをむけて しつれいとは おもわんか!
おもいません!
なんという ばちあたりな!
きのう・・・、おしょうさまは、 こう おっしゃいました・・・・。
これ、これ、一休!
ろうそくの火は、ふきけしては、いかん!
どうしてですか? おしょうさま・・・。
ひとの いきがかかっては、 ほとけさまに、きのどくとは おもわんか?
では、どうやって けすのですか?
手であおいでけしなさい。
ほとけさまのまえでは、 人のけがれた いきをかけては、 いかんのじゃ・・・・。
ほとけさまに 人のいきがかからないよう、 こうしております。
なるほど〜〜
なるほどじゃない!
きびしい おしょうさまにも、 ひみつのたのしみがありました。
おてらには、めずらしい 水あめを こっそり一人でなめることでした。
おしょうさまは、ひみつのつもりでも、 こぞうさんたちは ちゃぁ〜んと しっていました。
いいなぁ〜〜、水あめ・・・・
なめたいなぁ・・・・
おしょうさまだけ なんて・・・・
きのう おしょうさま こっそり 水あめを なめていたでしょう?
ぼくたちにも なめさせてください!
おしょうさまは、ちょっと びっくりしましたが、
あれは、水あめのように見えるが、 子どもにとっては、どくじゃ!
こどもがなめると しんでしまうぞ!
あやしいなぁ・・・・・
いってくる・・・
いってらっしゃいませ!
おしょうさまの すずりが!!
だいじけんです。
はずみで たいせつなすずりを こわしてしまいました。
こぞうさんは、もうなきだしそうです。
おしょうさま、おこるだろうなぁ・・・・
どうしよう〜〜〜!!
やはり、水あめだ・・・・・・!
どくでもなめて・・・・・
どうするか かんがえましょう!
ゆうがた、おしょうさまが かえってくると、
たいせつな すずりはこわれ、 水あめは、なくなっておりました。
なんということをっ!! こぞうたちぃ〜〜!!
なにをしておる?!
だいじなすずりを こわしてしまいました。
みんなでいっしょに しんでおわびをしようと・・・
おしょうさまのどくを なめたのです!
なめても、なめても・・・・
みずあめを?!
やられた・・・
まだ いきてるんです
わかった、わかった! もう よい!
なかまの こぞうさんは、かしこい一休さんを たよりにするようになりました。
おしょうさまには、ちくさいさんという ともだちが おりました。
三日にいちどは、おてらにきて、いごをうち、 それが、よるおそくまでつづくのです。
おしょうさまが ねるまで こぞうさんも、 ねてはいけないことに なっています。
ちくさいさんがくると ながくて・・・・・
ちくさいさんが やってきました。
なに なに?
『けがわをきて てらにはいらないでね!』
ワシのはおりのことじゃな?
ちくさいさん、こまってるぞ・・・・
かしこいようでも、 子どものかんがえることじゃ・・・・・
けがわは、てらがけがれるので、 おかえりください。
そうは、いっても、 ほんどうにも かわがありますよ?
だから、わたしの はおりもいいでしょう?
だから、たいこは、毎日、 これで たたかれるのです!
これは、まいった! なるほど・・・・・
その日から、ちくさいさんは、よるおそくまで いごを うたなくなりました
ある日、おしょうさまと一休さんは、 ちくさいさんのいえへ まねかれました。
いえのまえには はしがあって・・・・・
なに、なに? このはしをわたるな?
わたらなければ、 いえにはいれないではないか・・・・。
これ! 一休・・・ わたっては、いかんとかいてあるのに・・・・
はしは、いけませんとかいてありますが、
まんなかは、だめだとは かいてないでしょ?
だから、まんなかをわたればいいんです! おしょうさま!
なるほどねぇ〜〜
また、やられた!
一休さんは、みやこでも、 ゆうめいになっていました。
うわさは、しょうぐんさまの目にもはいり、
たれか ある!
おてらに しょうぐんさまの おつかいが やってきました。
うわさにたかい 一休を、おめしてある!
ははぁーっ!
おしょうさまに つきそわれた、一休さんは、
しょうぐんさまの おやしきへ やってきました。
そなたが、一休か? よう、きた・・・・。
はい、一休でございます! ほんじつは、おまねきありがとうございます!
中学校を卒業した私は
しょうぐんさまは、一休さんを気にいって、 たのしいときをすごされました。
おいとまする じかんになって・・・・。
そなたに たのみがある・・・・・
なんでもどうぞ・・・・、しょうぐんさま!
ちょっと、むずかしいとおもうが?
にんげん、あたまをつかえば、 たいていのことは、なんとかなります!
あっ! これ!
じょうだんのつもりでしたが、 しょうぐんさまは、ほんきになりました。
これじゃ!
りっぱな とらでございますね! これがなにか?
よるになると、このとらが、 よびだして あばれるので こまっておる!
そなた、これをたいじしてくれぬか?
『いくらなんでも かみにかいた とらを・・・・!』
一休さんが かわいそうに なりました。
おまかせください! じょうぶな なわをよういしてください!
じゅんびは、できました!
しょうぐんさま、とらをびょうぶから おいたしてください!!
なにぃ?!
さぁ、はやく! しょうぐんさまっ!
しょうぐんさま! おいたしてください!! 早く早く!
そんなこと!
わかった! わかった!
わしのまけじゃ、一休・・・・
一休さんのちえに、すっかり かんしんされた しょうぐんさまは、
たくさんの ほうびをくださり、
そのすぐれた あたまをつかって、 世のために つくすのじゃ!
一休さんは、しゅぎょうをかさね、 りっぱな おぼうさんになりました。
しかし、けっしていばったり しませんでした。
えらい人とも、まずしい人とも、 おなじように ふれあい、
とんちをつかって、世の中につくしたのです。
むかし、むかし、どこの おてらにも
むかし
おぼうさんに なるための しゅぎょうをする 男の子がおりました。
きょうとの あんこくじにも、 一休さんという 小僧さんがおりました。
一休さんは、五才・・・・。
一休
五
才
このてらに きたばかりです。
ばかり
ところで 一休さんは、 ちょっと かわっていました。
なんじゃぁ?!
じゃぁ
これ、一休!
一休
ほとけさまに しりをむけて しつれいとは おもわんか!
おもいません!
おもう
なんという ばちあたりな!
あたり
なんと
きのう・・・、おしょうさまは、 こう おっしゃいました・・・・。
これ、これ、一休!
一休
ろうそくの火は、ふきけしては、いかん!
火
ろうそく
いかん
どうしてですか? おしょうさま・・・。
しょう
どうして
ひとの いきがかかっては、 ほとけさまに、きのどくとは おもわんか?
では、どうやって けすのですか?
手であおいでけしなさい。
なさる
あおぐ
手
ほとけさまのまえでは、 人のけがれた いきをかけては、 いかんのじゃ・・・・。
ほとけさまに 人のいきがかからないよう、 こうしております。
なるほど〜〜
なるほど
なるほどじゃない!
なるほど
きびしい おしょうさまにも、 ひみつのたのしみがありました。
おてらには、めずらしい 水あめを こっそり一人でなめることでした。
おしょうさまは、ひみつのつもりでも、 こぞうさんたちは ちゃぁ〜んと しっていました。
いいなぁ〜〜、水あめ・・・・
水あめ
なめたいなぁ・・・・
なめる
おしょうさまだけ なんて・・・・
しょう
なんて
きのう おしょうさま こっそり 水あめを なめていたでしょう?
ぼくたちにも なめさせてください!
くださる
なめす
おしょうさまは、ちょっと びっくりしましたが、
びっくり
しょう
ちょっと
あれは、水あめのように見えるが、 子どもにとっては、どくじゃ!
こどもがなめると しんでしまうぞ!
しまう
こども
なめる
あやしいなぁ・・・・・
あやしい
いってくる・・・
いってらっしゃいませ!
らっしゃる
おしょうさまの すずりが!!
しょう
だいじけんです。
はずみで たいせつなすずりを こわしてしまいました。
こぞうさんは、もうなきだしそうです。
こぞう
おしょうさま、おこるだろうなぁ・・・・
おこる
しょう
どうしよう〜〜〜!!
やはり、水あめだ・・・・・・!
水あめ
やはり
どくでもなめて・・・・・
なめる
どうするか かんがえましょう!
かんがえる
ゆうがた、おしょうさまが かえってくると、
しょう
かえって
たいせつな すずりはこわれ、 水あめは、なくなっておりました。
なんということをっ!! こぞうたちぃ〜〜!!
なにをしておる?!
だいじなすずりを こわしてしまいました。
だいじない
こわす
しまう
みんなでいっしょに しんでおわびをしようと・・・
おしょうさまのどくを なめたのです!
なめる
なめても、なめても・・・・
なめる
みずあめを?!
やられた・・・
まだ いきてるんです
いきる
わかった、わかった! もう よい!
わかる
なかまの こぞうさんは、かしこい一休さんを たよりにするようになりました。
おしょうさまには、ちくさいさんという ともだちが おりました。
三日にいちどは、おてらにきて、いごをうち、 それが、よるおそくまでつづくのです。
おしょうさまが ねるまで こぞうさんも、 ねてはいけないことに なっています。
ちくさいさんがくると ながくて・・・・・
ながい
ちくさいさんが やってきました。
やってくる
なに なに?
『けがわをきて てらにはいらないでね!』
はいる
ワシのはおりのことじゃな?
はおる
ちくさいさん、こまってるぞ・・・・
こまる
かしこいようでも、 子どものかんがえることじゃ・・・・・
けがわは、てらがけがれるので、 おかえりください。
そうは、いっても、 ほんどうにも かわがありますよ?
だから、わたしの はおりもいいでしょう?
だから
わたし
はおる
だから、たいこは、毎日、 これで たたかれるのです!
これは、まいった! なるほど・・・・・
その日から、ちくさいさんは、よるおそくまで いごを うたなくなりました
ある日、おしょうさまと一休さんは、 ちくさいさんのいえへ まねかれました。
いえのまえには はしがあって・・・・・
まえる
なに、なに? このはしをわたるな?
わたる
わたらなければ、 いえにはいれないではないか・・・・。
これ! 一休・・・ わたっては、いかんとかいてあるのに・・・・
はしは、いけませんとかいてありますが、
いける
まんなかは、だめだとは かいてないでしょ?
まんなか
だから、まんなかをわたればいいんです! おしょうさま!
なるほどねぇ〜〜
なるほど
また、やられた!
一休さんは、みやこでも、 ゆうめいになっていました。
うわさは、しょうぐんさまの目にもはいり、
うわさ
はいる
目
たれか ある!
たれる
おてらに しょうぐんさまの おつかいが やってきました。
うわさにたかい 一休を、おめしてある!
一休
うわさ
たかい
ははぁーっ!
おしょうさまに つきそわれた、一休さんは、
一休
しょう
つきそう
しょうぐんさまの おやしきへ やってきました。
そなたが、一休か? よう、きた・・・・。
一休
はい、一休でございます! ほんじつは、おまねきありがとうございます!
中学校を卒業した私は
卒業
中学校
私
しょうぐんさまは、一休さんを気にいって、 たのしいときをすごされました。
おいとまする じかんになって・・・・。
まする
そなたに たのみがある・・・・・
なんでもどうぞ・・・・、しょうぐんさま!
どうぞ
ちょっと、むずかしいとおもうが?
おもう
ちょっと
むずかしい
にんげん、あたまをつかえば、 たいていのことは、なんとかなります!
あっ! これ!
じょうだんのつもりでしたが、 しょうぐんさまは、ほんきになりました。
これじゃ!
りっぱな とらでございますね! これがなにか?
りっぱ
なにか
ござる
よるになると、このとらが、 よびだして あばれるので こまっておる!
そなた、これをたいじしてくれぬか?
くれる
たいじ
『いくらなんでも かみにかいた とらを・・・・!』
一休さんが かわいそうに なりました。
一休
かわいそう
おまかせください! じょうぶな なわをよういしてください!
じゅんびは、できました!
できる
しょうぐんさま、とらをびょうぶから おいたしてください!!
なにぃ?!
さぁ、はやく! しょうぐんさまっ!
はやい
しょうぐんさま! おいたしてください!! 早く早く!
そんなこと!
そんな
わかった! わかった!
わかる
わしのまけじゃ、一休・・・・
一休
まける
一休さんのちえに、すっかり かんしんされた しょうぐんさまは、
たくさんの ほうびをくださり、
たくさん
くだす
ほうび
そのすぐれた あたまをつかって、 世のために つくすのじゃ!
一休さんは、しゅぎょうをかさね、 りっぱな おぼうさんになりました。
しかし、けっしていばったり しませんでした。
けっして
いばる
しかし
えらい人とも、まずしい人とも、 おなじように ふれあい、
とんちをつかって、世の中につくしたのです。
世の中
つくす
つかう
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大丈夫
ライラック
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