PAC3は、イージス艦で相手のミサイルを迎撃できなかった時に、地上付近で撃ち落とすための「最後の砦」と位置づけられている迎撃ミサイルです。
航空自衛隊によりますと、近畿圏では滋賀県と三重県の基地に配備されていますが、射程が数十キロと短いことから、落下が予想される場所や重要な施設などの近くであらかじめ展開しておく必要があり、全国の部隊で訓練が行われています。
19日は、大阪 此花区の舞洲で訓練が行われ、三重県の基地からレーダーや発射機などを搭載した大型車両6台が到着し、装備を展開しました。
そして、隊員が声を掛け合いながら発射台を立ち上げたり、レーダーや無線通信を行うためのアンテナを調整したりするなど、およそ20分かけて手順を確認しました。
北朝鮮をめぐっては、アメリカのサリバン大統領補佐官が、20日からのバイデン大統領の韓国、日本の訪問中にも長距離弾道ミサイルの発射や核実験に踏み切る可能性があるという見方を明らかにしています。
訓練を行った航空自衛隊第14高射隊の森永哲也2等空佐は「北朝鮮が類を見ないペースで弾道ミサイルを発射している。情勢にかかわらず、事があれば速やかに必要な体制をとれるよう訓練を重ねたい」と話していました。