地方銀行などのIT
環境を
調べる金融庁の
アンケートで、9
割の
地域金融機関が
営業担当者に
個別のメールアドレスを
設定していないことが
分かりました。
新型コロナウイルスの影響が長期化する中、取引先とやり取りする手段が対面や電話に限られるケースもあり金融庁は監督指針を改正し、通信手段の整備を促していく方針です。
金融庁は、去年12月、全国の地方銀行と信用金庫、それに信用組合を対象にIT環境についてのアンケート調査を初めて実施し、ほぼすべてにあたる495の地域金融機関から回答を得ました。
この中で、営業担当者に個別のメールアドレスを用意しているか尋ねたところ、「用意していない」と答えた地域金融機関が全体の91%を占めました。
営業担当者がメールを使えない場合、取引先との資料を交えたやり取りは電話とファックス、それに対面に限られるケースもあるということです。
こうした現状に、金融庁は営業担当者が私用の端末を使って外部と情報をやり取りし、情報が漏れるおそれがあると懸念しています。
また、店舗と取引先を結ぶオンライン会議システムを導入している地域金融機関は49%にとどまっています。
金融庁は、この調査結果を全国地方銀行協会などと共有するとともに、地域金融機関の監督指針を改正し通信手段の整備を促していく方針です。
専門家「地域金融機関みずからがデジタル化に着手を」
地域金融機関の
経営に
詳しいシンクタンク、ソフィアバンクの
藤沢久美さんは「
地域の
経済を
元気にして
いくために、
地域のデジタル
化を
お手伝いすると
言っている
地域金融機関がメールアドレスの
振り分けを1
割しかしていないというのは
衝撃以外の
何物でもないというのが
正直な
印象だ」と
話しています。
そのうえで「お客さまに事業を拡大してもらったり生産性を上げてもらったりするためには、デジタル化が不可欠で金融機関側がそれを十分に理解していないとお手伝いができない。まずは地域金融機関みずからがデジタル化に着手する必要がある」と指摘しています。